マニュアル制作スケジュールの作り方(4) マニュアルを作るのに時間がかかる工程とは?

前回の記事では、マニュアルのスケジュールの管理で具体的な方法の例を挙げて、管理しやすくなる方法を書きました。

管理する時に大事なのが、どの行程に時間がかかるのか?を把握することです。

マニュアルを作る、というのは「文字や文を順に書く」作業がほとんどだと考えている方は意外に多いです。

特に、マニュアルを作ったことのない人は、

「マニュアルなんて簡単に作れる」
「文字を書くだけ」
「日本語だったら誰でも書ける」

と思ってしまうようです。

マニュアル制作の実務となる行程で「文字を書く」以外の行程がいくつかあり、「文字を書く」行程自体は全体の一部となります。

ではマニュアル制作では、どういう行程があり、どの行程に時間がかかるのでしょうか?

マニュアルは文字、イラスト、レイアウトの組み合わせ

マニュアルが文字だけでできていて、小説のように長文でできていたら読む気になるでしょうか?

興味があって読む小説とは異なり、マニュアルはできるだけ読みたくないものです。少なくとも興味本位で読むものではありません。

製品やサービスのマニュアルが存在する目的は、マニュアルを読むことではなく、製品やサービスをユーザーが適切に体験できるかどうか、をサポートするところにあります。

例えば、操作する場所を示したイラストや動画、挿絵を入れたり、レイアウトを工夫してストレス無くマニュアルを読めるようにする、といった価値を与えることでマニュアルの読みやすさや理解度が改善されます。

※ここで言う「イラスト」には、テクニカルイラストレーション、写真、動画やマンガなどビジュアルの表現で価値を生み出せるものを含んでいます。

「発想が必要な作業」「人を介する作業」は工数がかかる

マニュアル制作では、すでにある物の形を変えて違う物を作る、というより、ゼロから何かを作る、という行程が少なからず発生します。いわゆる「発想」が必要な作業です。

そして、複数の担当者で制作を進める場合、作業の引き継ぎが発生します。

相手に何をして欲しいのか? 要点はどこなのか? という要点をまとめておくことで、作業引き継ぎの効率が上がります。こういった「人を介する作業」も工数がかかります。

時間がかかる行程を把握し、共有する

マニュアル制作の工程のうち、時間のかかる行程がどこなのか、を作業者全員で共有することで作業者の理解が深まり、作業がスムーズに進められることにつながります。

例えば、仕様書などの執筆に必要な資料を製品やサービスの開発担当者に請求する場面があるとすると、開発担当者にマニュアルの制作工程を理解し共有してもらうことで、スムーズに資料を提供してもらえたり、資料を請求することが難しいタイミングだった場合は後日どの行程で提供してもらえるか、調整がスムーズになります。

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