マニュアル制作スケジュールの作り方(2) スケジュールをたててみる。
前回の記事では、どんなマニュアルを作るのかを考えて、どういうものを集めればいいのか?を書きました。
マニュアルを制作すると決まったあと、具体的にどのようにスケジュールを組み立てて行くのか、
いわゆる「マニュアルディレクション」の部分は初心者にはよくわからない場合があると思います。
今回はスケジュールを関係者で共有するために、どのようなステップでマニュアルディレクションを行い、スケジュールを進行させていくのかを解説します。
目的にあわせてスケジュールの粒度を使い分ける
これから作るマニュアルは、どのような冊数、ページ数、構成、日程ですか?
どんなマニュアルを作るにも、まずはざっくりと必要な行程を着手~納期までの日程に割り振っていく作業が必要です。
① マニュアル複数冊に対して行程を割り振る
縦軸に制作するマニュアルタイトルを、横軸にスケジュールと必要な行程を書き込みます。
他部署とスケジュールを共有したり、複数のマニュアルを同時制作する場合に使います。
このようなスケジュールを作る目的は、同じ人に作業負担が集中しないように調整したり、関係者でスケジュールを共有してあらかじめ作業の予約をしてもらったりすることです。
また、翻訳などをアウトソースで行う場合は、翻訳量が多いと翻訳会社で訳者の確保が必要になる場合もあり、ぶっつけ本番で直前に依頼するとスケジュールが守れないことがあります。最悪の場合は訳者の確保ができずに納期に間に合わないこともあるかもしれません。
② マニュアル1冊に対して行程を割り振る
縦軸に制作するマニュアルの章を、横軸にスケジュールと必要な行程を書き込み、作業を進めたところを日々管理していきます。
①の場合ももちろんですが、制作するマニュアルの章別や項目別にスケジュールを決める必要があります。
スケジュールを管理する中で、「作業が完了した部分」と「作業中・未作業の部分」がはっきりわかっていると、残作業が明確になり「作業中・未作業の部分」に注力することができます。
③ マニュアルの構成やコンテンツ管理をしやすくする
縦軸に制作するマニュアルの目次構成を、横軸にスケジュールと必要な行程、管理すべきコンテンツのステータスを書き込みます。
②をさらに進化させ、目次構成の階層を表現しながら、ページ内に使用されているイラストや変化点の管理を行う場合には、細かい粒度のスケジュールが求められます。
書籍を作る方には「台割り」、ウェブ周りの作業をする方には「ディレクションマップ」といった方がわかりやすいかもしれません。
管理作業は②より③のほうが大変ですが、日常的に③の粒度でマニュアル制作のディレクションを行っていると、スケジュール進行の遅れやミスが激減することにつながり、自身を持ってマニュアルディレクションができるようになります。