書き方の基本 | マニュアルの考え方
ユーザーが製品やサービスに出会った時、最も迷うことが少ないのは、「ユーザーが体験する操作」に沿ってマニュアルを作ることです。
しかし、法規に関わる項目などは、製品やサービスの供給元企業では「最初に読んで欲しい」と考えます。
ではどのようにすれば、迷うことが少なく、企業の意図が反映したマニュアルを作ることができるのでしょうか?
目次の構成例
一般的な製品マニュアルを制作する場合の目次構成例を見てみましょう。
法規項目を最初に掲載することで、「ユーザー全員に必ず読んで欲しい」という企業からのメッセージを伝えます。
その後、全体の構成がわかるようにする目次、コンテンツとなる機能や操作の説明を基本、応用の順に記載します。順に見ることで学習効果も期待できます。一通り操作の説明が済んだら、よくある質問(FAQ)を掲載します。記載量が多くなる場合は、FAQを別冊にすることもあります。
各要素の関係を整理し、全体の構成をまとめることで、迷うことが少なく、企業の意図が反映したマニュアルを作ることができます。
目次構成ができたら、トピックごとにテキストや図、イラストで操作手順を記載していきます。
操作手順の書き方
操作手順は、いきなり手順を書くわけではなく、要素ごとに書くと整理された手順にできます。
- タイトル
他のタイトルと区別し、ユーザーが見つけやすい表現で書きます。 - 操作概略(リード文)
どのような機能か、機能の目的は何かなどを書きます。 - 操作手順
操作をひとつずつ手順にして書きます。- 注意が必要な部分や、お知らせ、役に立つ情報もあわせて記載します。
- 操作後にどの場面になるのか、操作する前はどの場面なのかが前後関係がわかるように、書き方も統一しておきます。
- 派生機能や分岐する操作がある場合は、分岐地点を明確にし、戻る手順も書いておきます。
- 操作の結果
操作の後、どのようになれば操作の最後なのかがわかるように結果を書きます。
図やイラストの表現方法
マニュアルに使う説明用の線画イラストは「テクニカルイラストレーション」と呼ばれますが、描き方にコツがあります。
- 全体イラストと、説明したい部分の位置関係がわかるように描きます。部分的に線を太くしたり、色をつけたりして目立たせることもあります。
- ユーザーが見えるように立体的なイラストを描いたほうが理解されやすいです。
- 全てを描くのではなく、説明に必要のないところは描きません。
- 外部に見せたくない部分があれば画像処理を行います。
これら以外にも、自然な形でユーザーを誘導する様々な手法があります。マニュアルのみならず、マーケティングやCRMにも応用することができます。