マニュアルの品質と法律
マニュアルの品質って?
マニュアルを読んだときに、どのようなマニュアルが「よい」マニュアルであると評価しますか? マニュアルは「わかりやすい」「正しい」「使いやすい」「扱いやすい」「安全に使える」など、いろいろな軸で評価を受けますが、エンドユーザーに取っては「使いやすい」「わかりやすい」「安全に使える」あたりの軸が重視されます。 コンテンツをエンドユーザーの視点で書くことが必要ではありますが、マニュアルはエンドユーザーだけが見ている訳ではありません。 製品としては「部品」でもありますし、セールスマンにとっては「バイブル」「販促ツール」でもあります。 メーカーや商社では、マニュアルは「おまけ」と見られがちですが、ユーザーにきちんと使ってもらうための「ラストワンマイル」「付加価値をつくることができるツール」ともなりえるので、きちんと作っておくことが必要です。 マニュアルの品質が悪かったらどうなるか? 一般ユーザーの目線で言うと、 企業側にしてみれば、問い合わせやクレームの対応はコストのかかるものです。場合によっては、訴訟であったり、会社の存続が危ぶまれたりする事態もあります。 問い合わせ、クレームや訴訟の可能性を減らすことができる、 マニュアルの記載は法律でルール化されている部分がある エンドユーザーが安心、安全、誤解せずに製品やサービスを使えるように、法律や規格などで記載内容を一部決められています。 PL法やIEC82097-1(欧州向け)、GB規格(中国向け)などが、マニュアル制作の界隈でよく話題になります。 PL法は日本でもよく議論されるので、ご存じの方も多いとは思いますが、IEC82097-1に至っては、「使用説明の専門家がマニュアルを作らないといけない」ということまで規定されています。 << Test 姓 >>さんも、参考になさってください。 |
マニュアルに関わる法律(一例)
PL法 ちょっと古めですが、1995年より施行された「製造物責任法」のことです。 「設計上」「製造上」「指示・警告上」で、適正使用にもかかわらず製品に欠陥が見つかり、人の身体や財産に損害を与えたときは、メーカー(輸入会社、販売会社なども)が損害賠償責任を負うという法律です。 PL法で定義されている「欠陥」とは、 ただし、製品に欠陥があって、マニュアルに書いていたとしても製品の欠陥が消えるわけではないので注意が必要です。 ISO/IEC 82079-1:2012 (EN 82079-1:2012) 国際規格 2012年よりヨーロッパで施行された国際規格です。 その他、GB規格(中国向け)や労働安全衛生法、認証規格など、業界や輸出地域によってもさまざまな法律や規制、業界指令があります。 |