進むためには退く
勝負したいときに頼りにしたいモノや人に信頼がないと、
導かれる立場であっても、ついて行きにくいものです。
「進むためには退く」というのはどういうことか?を考えると、
マニュアル/トリセツの意義も明らかにできます。
「菜根譚」と呼ばれる古代の随筆集には、現世でも通用する処世術が書かれています。
その中で、
「進歩処、便思退歩、庶免触藩之禍。
着手時、先図放手、纔脱騎虎之危。」
という部分があります。
現代語に要約すると、
「前に進むときには、必ず後に退がることを考えよ。
そうすれば、垣根に角を突っ込んだ羊のように、身動きがとれなくなる恐れはない。
手を着けるときには、まず手を引くことを考えよ。
そうすれば、虎の背に乗ったときのように、闇雲に突っ走る危険を避けることができる。」
というところですが、そんな難しいところはさておき、羊も虎も街中で見かけることはない現代で、
マニュアル/トリセツで考えると?
- 現場/現物を見る
よくありがちなのは、口だけで言っていて行動を起こさない場合です。
「めんどくさい」「時間がない」そうでしょう。みんな同じです。
業務マニュアルでも製品やサービスのトリセツでも、現物を見ないで良いモノができるわけはありません。 - ボトルネックを見つけ出す
マニュアル/トリセツがない状態でうまくいかない、というのは、どこかに問題が残っている「ボトルネック」がある状態を示します。
その中には、問題が残っていても指摘されなかったり、見つけられなかったりする場合も含みます。原因が人間の付き合いによるものなのか、しくみが原因になっているのか、単純なミスなのか、ちゃんと見つけ出すことが必要です。
うずたかくモノがあふれた山から目的のモノを探す宝探しではありませんが、まずは手を動かして見えるものから整理していきます。
最後に残ったものがボトルネックです。 - 信頼を得るための道筋作り
「ボトルネック」それがずっと存在するとき、問題はずっと起こり続けます。
お金なのか、スケジュールなのか、スキルなのか、「なぜそれが起こるのか?」「どうやれば消えるのか?」
行動を起こす前に解決の道筋を作ります。
行動を起こした後にボトルネックが見つかったら、いったん戻り、何が?どこで?どうやったから?を見つけるところまで戻ります。日本人にありがちですが、後戻りすることが恥ずかしかったり、ネガティブに感じる事はありません。
単純ですが、この繰り返しです。
成果物になる前にできるだけ多くの回数/パターンで試して、問題が起こる確率を0になるようにどんどん下げていきます。
問題がなくなった時点の情報をマニュアルやトリセツでまとめ、関係者で共有すると、関係者のアウトプットの品質を底上げすることができます。
結果的にエンドユーザーやクライアントの「信頼」を得ることにつながります。
信頼のおけるマニュアル/トリセツ、悩んだら情報親方へ!