紙とPDFとウェブと/マニュアルの使いやすさ

紙とPDFとウェブと マニュアルの使いやすさ

最近、製品のマニュアルが「続きはウェブで」という状態である製品が多くあります。ハコを開けてもマニュアルがないのです。

ぺらぺらの紙一枚だけ。

そこにウェブアドレスが書いてあって、見た人は「アクセスしろ」という印象をもちます。

大昔は「マニュアル=紙」でしか存在しなかったのですが、最近はあらゆる形のマニュアルがあります。

ユーザーが利用する形に合わせて、紙であったり、ウェブにデータがあったりします。
若者向けの製品はウェブにデータが保存される傾向に特にあります。

紙はもちろん、定型になっていて、手に取りやすいです。
書き込んだり、すぐにめくれたり、読む機器がなくてもいつでも見られます。
しかし、メーカー側は印刷費用や改変時の差換え費用がかかります。

データにすると、読む機器や通信環境が必要になりますが、(メーカーが更新を続けていれば)だれもがいつでも最新の情報が得られます。
マニュアルの現物がなくても、通信環境があればスマートフォンでも見られます。
他のシステムと連携してデータベース化されているマニュアルもあります。

そのあいだの位置づけなのが、PDFです。
PDFのマニュアルは2000年頃から出始めましたが、すでに業界のスタンダードになっています。
紙が必要であれば定型で出力して手に取ることができ、共有や保管は簡単です。


(月刊誌に寄稿した記事より引用)

「いずれかに選ぶ」という判断をするのはメーカーですが、メディアの特性と必要な部分を組み合わせて、使うことがいまでは主流になっています。

紙マニュアルのコスト

コンテンツを制作するコストは、メディアには大きくは依存しません。
多くの紙マニュアルは、ページ単位で、かつ、コンテンツの制作難易度できまりますが、紙にすることで印刷のコスト、輸送費、在庫管理費などがかかります。
更新時には、コンテンツの再制作と、印刷以降は「初版」と同等のコストがかかります。部数が少なくなると、1冊あたりのコストは高くなります。

ウェブ(電子)マニュアルのコスト

大きな企業では、マニュアルをデータベース化しているところもあります。
問い合わせのヘルプと連動していたり、探したい目的にあわせて柔軟に対応できます。
検索も一発でできます。
しかし、大きなシステムはそれなりに費用がかかるものなので、むしろ他の部署やコンテンツと連動させてコストダウンしていることが多いです。
販促資料やサービスマニュアルなどと連動していれば、情報が一元化され、修正があっても(管理する側からは)管理コストがかかりにくくなります。

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