情報親方の泣く子も”チェック” 書類やマニュアルの品質を簡単に上げる6つの方法

隠れたミスを洗い出し、書類やマニュアルの品質を上げるポイントを情報親方が解説!

(2015/06/11更新)

書類やマニュアルを作ったあとで「自分の作った書類は完璧」と思っていても、どこかにミスは隠れているものです。
ミスが発覚した時は、顔が青くなったり赤くなったり、被害の大小問わずミスは防いでおきたいですね。

しかし、人間である以上、ヒューマンエラー(意図しない結果を生じる人間の行為)は必ず起こります。「人間はミスをするもの」と認識をしつつ、しっかり防ぐ方法を考えるのも人間です。

今回は、普段からマニュアル制作でチェック、効率のよい書類作成を行っている情報親方に、ミスを防ぎつつ、書類やマニュアルの品質を向上させる方法を解説してもらいます。

1 誰が何をチェックするのかを決める

まずは、何をチェックするのかを決める必要があります。
書類やマニュアルは「文字」「図やイラスト」「レイアウト」などの要素の組み合わせでできています。

業界や作業内容によって、求められる精度や粒度も異なると思いますが、要素にあわせて切り分けていくと方向性が見えてきます。たとえば「文字」だと「タイトル」「リード文」「本文」「参照ページやタイトル」などでできています。

さらに「タイトル」は階層ごとにレベルわけされますし、それぞれの内容が一目で区別できるようにできています。

2 チェックシートで履歴を残し、管理する

チェックの項目(要素など)を縦軸に、書類の制作工程を時系列で横軸にし、一覧で見ることのできる「チェックシート」を作ります。

チェックシートは制作の進度に合わせてチェックし、保管します。チェックシートは引き継ぎ資料としても利用できます。履歴が残っていれば、トラブルになったときでもどの段階でミスが発生したのかを追跡しやすくなります。

3 項目別にチェックしてみる

前のほうのページから順に読んで「のらりくらり」とチェックすると、集中力が途切れやすくなり、作業効率が下がります。

数字、単位、単語、目次構成、対象ユーザー、時系列、参照ページ、参照タイトル、表、表注、イラストなど、項目ごとにチェックを行い、項目別にチェックを繰り返した方が、効率が上がります。

4 表記ゆれチェックやスペルチェックを行う

Wordなどの文書作成ソフトウェアをお持ちであれば、ソフトの校正ツールを使って効率よくチェックができます。

[Wordのオプション]ダイアログボックスにある[文章校正]タブの、[文書の読みやすさを評価する]にチェックがついていないことを確認し、[校閲]タブの[表記ゆれチェック]で表記のゆれをチェックできます。

また、ATOKなどの辞書・校正ツールをインストールすれば、より積極的にチェックを行うことができます。

もし、御社内に用語集や表現基準などがあれば、辞書・校正ツールにあらかじめ登録しておくことで、入力時から表記ゆれの少ない表現にすることができます。

5 変化点を管理する

すでに存在する書類やマニュアルを改変する場合は、ミスが起こる可能性は「変化点」周辺が最も大きいと考えられます。

逆に言えば、改版を行う場合は、変化点をきっちり管理しておけば、間違いが発生しにくいとも言えます。

6 全体を通しで読んで見る(通読)

マニュアルを作成した本人が通読することは当然ですが、可能であれば、複数の人、特に初心者の人にマニュアルを読んでもらうことで、マニュアルとして不足が見つかることが多いです。マニュアルを作成した本人だけの目線で作ったマニュアルは意外と不足があるものです。

いかがでしたか?
ミスは、最初は見えません。見えないものを見えないからといって放置しておくのではなく、見えるところから順に対策を行っていけば、見えないミスも見えるようになり、品質を向上できます。

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