IoT製品のマニュアル制作には、コツがある! 従来とは違うその手法とは?

IoT製品のマニュアル制作のコツ ~ハードウェア・ソフトウェアのマニュアル制作との違い~

 

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最近、AppleWatchやGoogleGlassなど、ハードウェアとソフトウェア、各種センサーが融合し、インターネットに接続する機器が増えてきています。それがIoT(Internet of Things)で、「モノのインターネット」と呼ばれています。

ハードウェア、ソフトウェア、通信、インターネットなど、多くの媒体を経由する割には、特に経由地点の多さを感じることなく、人間と製品の距離感が近くなるように設計されている製品やサービスが多くあります。

新しい概念を持つ製品やサービスを展開するときに必要になるのが、エンドユーザーに製品やサービスを正しく理解してもらえる、わかりやすいマニュアルです。


新しい概念を持つ製品やサービスでは、導入時に問題なく使ってもらえるかが製品の印象となってしまうので、手を抜かずに作っておきたいですね。

今回は、ハードウェア、ソフトウェア、通信機器、IoT機器のマニュアル制作経験がある情報親方に、それぞれのマニュアル制作の違いについて解説してもらいます。

ハードウェアのマニュアル制作

ハードウェアのマニュアル制作では、「製品にとって、マニュアルは部品」という認識があり、開発途中でも完成度の高いマニュアルを求められることが多いため、着手から短期間で完成度を高める必要があります。

マニュアルを制作する場合は、ライターが使い方や製品仕様を理解しておくことはもちろん必要ですが、エンドユーザーが製品を無事使えるかどうかがマニュアルの品質にかかっていることを理解する必要があります。

また、図面から線画を書き起こしたりすることもあるので、イラスト表現の技術も必要です。

ソフトウェアのマニュアル制作

ソフトウェアのマニュアル制作で大変なのは、ライターが使い方や製品仕様以外にプログラム言語を理解しないといけないところと、製品の仕様変更によるマニュアル原稿再作成の可能性が大きいことです。

また、専門用語やカタカナ用語が多いので、何も知らない人が理解できるようにかみ砕いて説明するか、用語の解説を加える必要があります。

開発がスケジュール通りに進んでいればマニュアル制作の日程に影響は少ないですが、いったん仕様が変更されると大きく影響を受け、かなりの手戻り作業を強いられることもあります。

特に、画面キャプチャーを撮影する場合は、ほんの一部でも最終仕様でないとすべての画面キャプチャーを差し替えたり、画像処理を加えたりすることがあります。撮影前にソフトウェアが最終バージョンか常に確認したいものです。

また、CDなどを経由してインストールを行うソフトウェアでは、梱包の開封からインストールまでの手順を、冊子や一枚物のマニュアルで作ることもあります。

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IoT機器のマニュアル制作

IoT機器のマニュアル制作では、ハードウェアとソフトウェア両方の要素を持ちますが、製品の開発メンバーのバックグラウンドが多様なこともあり、制作の初期段階で「マニュアルをどのように作るか、どこまで作るか」というメンバー間での意識あわせが成功の鍵となります。

IoT機器のマニュアルに組み込まれるソフトウェアは、使用目的が絞られ、製品の仕様にUX(User eXperience)が細かく反映されていることがよくあります。

そのため、人間と「やりたいこと」の距離感が近く、エンドユーザー向けには「製品の基本的な使い方」を書くよりは、「導入」「活用方法」「問い合わせ」など、機器のUXでフォローしにくい部分を重点的に書いたほうが製品満足度も向上します。

ただし、IoT機器は技術的に係わる分野が多くなるので、技術者向けのサービスマニュアルなどは記載量が多くなる可能性があります。

そして、IoT機器で注意しないといけないのは「セキュリティ」の分野です。モノがインターネットにつながると、外部から侵入されたり攻撃されたりする可能性がゼロではなくなるからです。

 

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新しい時代の新しいマニュアル

「IoT」は、今でこそもてはやされていますが、製品やサービス、インフラや利用形態の変化に伴って一般的なしくみとなって社会に浸透していくでしょう。そして、IoTで得られる情報はビッグデータとなっていきます。

マニュアル制作に関して言えば、技術が進歩して、人間と「やりたいこと」の距離が短くなればマニュアルの出てくる場面は少なくなると思われます。

しかし、技術が進歩すれば、利用する人間とのギャップが必ず生まれるので、ギャップを乗り越えるためのフォローが必要になります。

また、「やりたいこと」が増えると、どのようにやればうまくできるか、組み合わせるとどんなことができるか、といった活用事例やライフスタイル提案に踏み込んだマニュアルも必要になってくると考えられます。

今まであったような、淡々と「使い方」を説明するマニュアルも必要ですが、製品を使う人が楽しめるマニュアルのニーズも高まってきています。

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